電気代を安くする方法を知る前に、予備知識として電力自由化について解説します。
平成28年4月から法改正により電力小売が全面自由化され、自分の好きな電力会社と契約することができるようになりました。
実際にどれだけの変更があったかというと、経済産業省の2018年のニュースリリースでは平成30年9月時点でスイッチング率が20%を超えたという情報がありました。
これは、もともとの電力会社を変えずに自由料金メニューへ変更した数と新電力会社への変更数を合計した数字になります。
ちなみに、新電力会社へ変更した割合は12.7%になります。
多くの人が変更をしていない電力会社ですが、自分に合った電力会社を選ぶだけで節約できてしまう力を秘めています。
私が電力会社を選んだ時のデータを見ながら、ぜひ自分に合った電力会社を見つけてみてください。
電力自由化のメリット
様々な電力会社の中から自分にあった会社を選択することで、今までにないメリットを受けることができます。
料金体系が安くなる
電気以外のサービスと組み合わせて割引が適応される
ポイントを貯めることができる
私は中部電力の供給地域なのですが、電気料金を安くするために新電力会社について考えていました。
いくつか候補に挙げた電力会社や実際に契約した電力会社のメリットなどを交えて紹介したいと思います。
もともと契約していた中部電力では、従量電灯Bというプランに40Aで契約をしていました。
料金の計算は以下の数値をもとに計算されます。
基本料金 (40A) | 電力料金 | ||
最初の120kWhまで | 120kwhをこえ300kWhまで | 300kWhをこえる | |
1,144円 | 21.07円 | 25.54円 | 28.49円 |
この契約の場合は基本料金がベースにあり、使った電力に応じて料金の単価が変わっていく形式です。
私が契約していた中部電力の2020年1月分請求書から請求額と内訳を見てみます。
使用量:557kWh
基本料金:1,144円00銭
電力量料金 1段料金:2,131円20銭
2段料金:4,001円40銭
3段料金:6,471円26銭
燃料費調整単価:-3円31銭/kWh
再エネ発電促進賦課金単価:1,643円(2円95銭/kWh)
合計:15,390円86銭
このような料金になります。
中部電力
中部電力は新たな料金プランとして、「おとくプラン」というプランがあります。
基本的な料金体系は変わりませんが、プランの特典として以下の内容があります。
・毎月153円の割引(カテエネ会員の場合)
・カテエネポイントが貯まる(電気料金200円につき1P。1P=1円で利用可)
これらの特典を加味した料金を計算してみます。
15,390円86銭ー153円ー76円(料金のポイント換算分)=15,161円86銭
割引額としては229円になります。
私は該当しないので恩恵がありませんが、東邦ガスと合わせて契約していた場合はガス料金に割引適用されます。
ENEOSでんき
普段、自動車のガソリンをENEOSで利用していたので、ENEOSでんきを検討してみました。
基本料金は下記のとおりになります。
基本料金(40A) | 電力料金 | ||
最初の120kWhまで | 120kwhをこえ300kWhまで | 300kWhをこえる | |
1,144円 | 20.85円 | 24.77円 | 26.49円 |
中部電力と比較すると、基本料金は変わりません。
使用量による区分けも中部電力と同じですが、それぞれの料金が中部電力より安く設定されています。
では、これを比較計算してみます。
使用量:557kWh
基本料金:1,144円00銭
電力量料金 1段料金:2,104円80銭
2段料金:3,862円80銭
3段料金:5,957円26銭
燃料費調整単価:-3円31銭/kWh
再エネ発電促進賦課金単価:1,643円(2円95銭/kWh)
合計:14,711円86銭
さらにここから特典が加わります。
・にねんとく2割:111円4銭(1kWhあたり0.2円割引)
・Tポイントが貯まる(電気料金200円につき1P。1P=1円で利用可)
上の特典分を引くと、
14,711円86銭ー111円4銭ー76円(料金のポイント換算分)=14,524円46銭
今回はTポイントを計算に入れましたが、支払いをENEOSカードにすると別の割引があったり、各提携カードごとの特典があったりもします。
ソフトバンクでんき
今は楽天モバイルを契約していますが、ワイモバイルを契約していたので検討をしていました。
基本料金は下記のとおりになります。
基本料金(40A) | 電力料金 | ||
最初の120kWhまで | 120kwhをこえ300kWhまで | 300kWhをこえる | |
1,144円 | 20.85円 | 25.28円 | 28.20円 |
これも基本料金は変わりませんが、電力料金がそれぞれ1%割引になっています。
では、これを比較計算してみます。
使用量:557kWh
基本料金:1,144円00銭
電力量料金 1段料金:2,104円80銭
2段料金:3,954円60銭
3段料金:6,396円73銭
燃料費調整単価:-3円31銭/kWh
再エネ発電促進賦課金単価:1,643円(2円95銭/kWh)
合計:14,099円13銭
さらにここから特典が加わります。
・スマホ(ソフトバンクやワイモバイル)など1回線につき毎月100円割引
上の特典分を引くと、
14,099円13銭ー100円=13,999円13銭
タブレット契約やネット契約など、回線数が多くなるほど割引が大きくなります。
楽天でんき
楽天経済圏を目指していたこともあり、楽天でんきも検討していました。
基本料金は下記のとおりになります。
基本料金(40A) | 電力料金 |
従量料金(中部電力エリア) | |
0円 | 26.50円 |
他社と大きく変わるのは料金体系です。
まず、基本料金が0円です。加えて、電力料金は使用量に関係せず一律の金額になっています。
では、これを比較計算してみます。
使用量:557kWh
基本料金:0円00銭
電力量料金 従量料金:12,916円83銭
燃料費調整単価:-3円31銭/kWh
再エネ発電促進賦課金単価:1,643円(2円95銭/kWh)
合計:14,559円83銭
さらにここから特典が加わります。
・電気料金200円につき楽天ポイントが1ポイント貯まる。(1P=1円)
・楽天カードで支払うと100円毎に1ポイント貯まる。
上の特典分を引くと、
14,559円83銭ー72円ー145円=14,342円83銭
楽天でんきは基本料金が0円になっているため、アンペアを変更しても料金が変わりません。
私は以前、毎月の電気料金が安くなればとアンペアを落としていました。
この様な料金体系であれば、料金を気にせずアンペアを上げる事もできます。
電力会社毎の比較検討
電力会社 | 中部電力(移行前) | 中部電力 | ENEOSでんき | ソフトバンクでんき | 楽天でんき |
割引後料金 | 15,390円86銭 | 15,161円86銭 | 14,524円46銭 | 13,999円13銭 | 14,342円83銭 |
変更前の料金は15,390円になりますが、新電力会社に移行しただけでどれも安くなっています。
これに加え、電気以外のサービスも安くなったり特典が付いたりしてきます。
自分が使っているサービスやポイントなど、合わせることで相乗効果がさらに増していきます。
まとめ
比較計算した月が1月請求分であり、電気料金としては1年の中で高い時期になります。
なので、請求金額が少ない月はそこまで変化がなかったり、契約によっては割高になる可能性もあります。
しかし、自分にあった電力会社のプランを選ぶことができれば、1年を通して電気代を安くすることができます。
電力会社を変えても使う電気の質は変わりません。
節約のために電気代を気にして電気を切る必要もありませんし、エアコンなどを我慢して苦しい環境下にする必要もありません。
今までの生活の質を変えずに、電気料金を安くする手段になるので検討するべきです。
乗り換えをした後の電気料金
私は検討の結果、「楽天でんき」に乗り換えることにしました。
楽天でんきの最大のメリットは、なんと言ってもポイントで料金を支払えることです。
乗り換えて半年間の電気料金の推移はこうなりました。

半年で電気料金に使ったお金は0円です。
電気料金の負担が無くなると、生活の中で気持ちの余裕が生まれてきたりします。