ネットやYouTubeで投資の勉強をしていると、利回り○%というリターンの話をよく聞くと思います。
多くの人はリターンの数値だけに注目して投資を始めるため、数値から外れた場合に混乱してしまいます。
混乱の結果、適切な判断や行動ができなかったりと、損失を拡大させてしまうことも考えられるのです。
資産を失わない正しい運用や判断ができるよう、リスクとリターンの知識を身につける必要があります。
色々な投資を勉強したり実践してきた私が、あなたのためにリスクとリターンを分かりやすく解説します!

みっちー(@dekiru_55)
しかし、とても大切な知識なので、最後までしっかり見てください!
リスクとリターンの知識

投資の話をすると、「利回り」という単語が必ずと言っていいほど出てきます。
利回りとは元本に対して増える利益の割合のことで、100万円を利回り5%で1年間運用したら利益が5万円になる計算です。
投資商品ごとに大体の利回りは決まっており、日本株式なら平均3%、外国株式なら平均7%となっています。
毎年この数値どおりに利益が生まれれば、誰もが安心して投資できると思います。
しかし現実は厳しく、これより利回りが減ってしまうこともありますし、損益がマイナスになってしまうこともあるのです。
この要素を考える上で重要なのがリスクで、リスクはリターン(利回り)からの変動を表します。
サイコロの目は1〜6の6種類あり、全ての目の合計は21です。
この21を6で割ると3.5、目の数の平均値は3.5になります。
試しにサイコロを12回振って、その数の平均を出してみました。(12という数字に意味はありません。1年が12ヶ月なので、12回をひとつの区切りとしました。)
2,5,6,3,6,6,3,5,6,4,6,6の平均を出すと、4.83という数字になります。
3.5とはかけ離れた数値が出てきましたが、これと同じことを10回繰り返してみます。
回数 | 平均値 | 今までの平均値の平均 |
1回目 | 4.83 | 4.83 |
2回目 | 4.08 | 4.46 |
3回目 | 5.00 | 4.64 |
4回目 | 2.75 | 4.17 |
5回目 | 2.93 | 3.92 |
6回目 | 3.50 | 3.85 |
7回目 | 3.25 | 3.76 |
8回目 | 3.75 | 3.76 |
9回目 | 4.50 | 3.84 |
10回目 | 2.67 | 3.73 |
回数を重ねるごとに3.5という数字に近付いてきました。
さらにこれを30回まで繰り返し、回数ごとの平均値の平均を見てみます。
10回目 | 3.75 |
15回目 | 3.71 |
20回目 | 3.66 |
25回目 | 3.66 |
30回目 | 3.60 |
30回目になると3.5にかなり近付いてきました。
このように回数を重ねることで、数値は平均に収束していきます。
逆を言えば、平均値に収束させるためには分母が多く必要とも言えます。
そして、もうひとつ注目したいのが、30回の中で出た数値の最小値と最大値です。
それぞれの数値と、3.5に対する比率を確認してみます。
平均値 | 3.5に対する比率 | |
最小値 | 2.67 | -23.81% |
最大値 | 5.00 | +42.86% |
今回の実験で出た目は、3.5という平均値から-23.81%〜+42.86%というばらつきがありました。
平均でみれば3.5になるはずですが、1回の数値だけで見ればこれだけの違いが発生するのです。
次はマイインデックスというサイトの数値を参照して、実際の投資のリスクを見てみます。
例えば日本株式でみると、変動(リスク)は-16%〜+22%になります。
そして、この変動の範囲内で収まる確率は約70%です。
年によっては30%の確率で-16%以上や+22%以上になる可能性もあるということです。
日本株式以外のデータも確認してみると、次のような数値になります。
年平均リターン | リスク | 変動幅(最大) | 変動幅(最小) | |
日本株式 | 3% | 19% | 22% | -16% |
外国株式 | 7% | 20% | 27% | -13% |
日本債券 | 5% | 4% | 9% | 1% |
米国債券 | 6% | 13% | 19% | -7% |
米国不動産 | 6% | 22% | 28% | -16% |
外国株式であれば年利平均7%というリターンを期待できる一方で、-13%〜+27%に70%の確率で収まるというリスクがあります。
-13%という数値を100万円の運用で考えると-13万円になりますが、1年だけでみれば十分起こり得る損失だということです。
そしてこれも平均なので、数年マイナスが続くことも十分考えられます。
20年や30年という長期の運用を続けることで、初めて年利平均7%という数値に収束していくのです。
つまり長期の運用で考えれば、年3〜7%の利回りは十分に狙えることになります。
結論:リターンだけでなくリスクも理解して投資する

年利○%というリターンだけを見ていると、それに隠れたリスクという変動幅に振り回されます。
マイナスが続く恐怖から売却をしてしまったり、プラスになった喜びから高値掴みの買い増しなど様々です。
自分のトレードルールを崩すことは、資産を増やすどころか減らす行為に繋がります。