ここではポートフォリオについての解説をしていきます。
アセットアロケーションでは、自分の目的や環境に適した配分を考えました。
ポートフォリオでは、考えた配分の更なる内訳を考えていきます。
内訳を決めるにはポイントがあり、分散投資という知識が重要になってきます。
分散投資は投資をする上で基礎になる考え方ですが、資産形成の運命を左右するほどの重要な部分でもあります。
この記事を読むことで、分散投資を意識した銘柄選定ができるようになります。
銘柄を購入する時に考える分散投資の基礎
分散投資が必要な理由は、リスクをコントロールして資産を守ることにあります。
投資は資産が増えるという力を持っていますが、逆に資産を失うというリスクも持っているからです。
投資をする上では、この資産を失うというリスクを最小限に抑えることが重要になります。
例えば株式投資で資産を築くには株価が運命を左右しますが、株価は自分の力でどうにかできるものではありません。
ある1銘柄に自分の全資産を投入して、その株価が半分になったとします。
この場合の資産の減少率は50%です。
これを2銘柄に投資して片方の株価が半分になった場合、資産の減少率は25%になります。
このように株価の変動は自分の力で操作できませんが、資産を失うリスクを自分の力で抑えることは可能です。
ポートフォリを組む際に分散を意識していけば、100%の安心は無いにしても高い確率で資産を築ける結果が付いてくると思います。
具体的に分散する項目は次の3つです。
投資対象の分散
国や地域の分散
時間の分散
ひとつずつ解説していきます。
投資対象の分散
先ほどの説明のように、購入する銘柄を複数にすることは分散投資になります。
次は100万円の資産をA社のみとA〜E社の5社を保有していた場合で比較をしてみます。

もしA社の株価が暴落して半分の価格になった時を想定してみます。
A社のみの場合、単純に資産が半分になってしまうので50万円の損失です。
次は5社を保有していた場合の資産状況をみてみます。
5社を均等に20万円ずつ保有していれば、A社の株価が半分になっても損失は10万円です。
資産を5つに分けたことで、損失を5分の1に抑えることができました。
分散は銘柄以外にも考えるポイントがあります。
それはセクターの分散です。
セクターとは、銘柄がどのような業種であるかを表したものです。
例えば誰もが聞いたことのある「株式会社NTTドコモ」という銘柄がありますが、この銘柄のセクターは情報・通信です。
2020年9月に総理大臣が菅義偉さんに変わってから、携帯料金値下げの話題が持ち上がりました。
この話題を受けて、通信業界の銘柄で株価に影響を受けたものも存在します。
もし、保有していた銘柄がすべて同じセクターで、それぞれに影響を受けてしまった場合を考えてみます。
次のように銘柄を5つに分散したとしても、それぞれが半分になってしまっては損失は大きくなります。

保有銘柄を5つに分散しても、セクターに影響を及ぼす出来事があった時は資産全体に影響を受けてしまうのです。
国や地域の分散
これも考え方は先ほどと同じです。
例えば日本のみに投資していた場合、日本に何かあれば日本全体の株価に影響を与えます。
それに備えて日本だけでなく、アメリカなどの違う国の資産を持つことも重要になります。
国や地域の分散に関しては、多くの国に分けるというより複数の国を持つというイメージで大丈夫です。
投資信託にeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)という商品がありますが、これは文字通り全世界の株式に投資する商品になります。
どのような国に投資されるか見てみると、次のようになっています。

引用:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)投資信託説明書より
主な投資先はアメリカで、スパイス的にその他の国が混ざっている感覚です。
ポートフォリオを考えることで得られること
ポートフォリオの重要な部分に分散投資をあげましたが、これは資産を守るリスクコントロールを目的としています。
分散投資で資産を守る力が得られるのです。
これ以外にも、ポートフォリを考えることで得られることがあります。
それは投資の目的を見失わないことです。
アセットアロケーションとポートフォリオを考えることで、自分が投資をする目的や手段が明確化します。
目的や手段がはっきりしていると、逸脱した行為を行うリスクを抑えることが可能です。
具体的な投資先を決めるには
どうしても投資は難しいイメージがあり、投資先も数多くあるため悩む人も多いと思います。
オススメの投資先を教えて欲しいという気持ちが本音なのも分かります。
しかし、自分の資産は自分で管理するしかありません。
誰かの意見で資産を失っても、その人は失った資産の保証をしてくれないからです。
私も誰かがオススメする投資先を購入することはあります。
それでも、その投資先について少しでも理解したうえで購入するようにはしています。
大変だとは思いますが、自分の大切な資産を守りつつ大きく成長させていきましょう。
例として、私が参考にした書籍を紹介します。