投資をするうえで「資産配分」がとても重要だとよく言われます。
アセットアロケーションとは資産配分のことですが、私はこれを考える際にとても悩みました。
なぜなら、アセットアロケーションは人によって千差万別で正解がないと言われているからです。
初心者には1番嫌な回答ですね…
人により千差万別な訳は、次のようなことがあげられます。
- リスク許容度が人によって違うから(年齢や世帯構成などの違い)
- 投資目的が違うから(教育資金や老後資金などの違い)
- 資産の取り崩し方が違うから(目標金額を一括で使うのか長期で取り崩すのかの違い)
他にも様々な内容はありますが、要するに人によって投資目的などが様々だから全員が同じやり方ではダメということです。
自分に合ったアセットアロケーションを決めるには、基礎的な知識を身につけて、たくさんのアセットアロケーションの考え方に触れることが重要だと考えます。
まずここでは、アセットアロケーションを決めるための基礎的な知識について解説していきます。
基礎知識を身につけて、次のステップへ進んでいきましょう。
なぜアセットアロケーションが重要なのか?

そもそもアセットアロケーションがなぜ重要なのでしょうか?
まずはそこから理解を深めていきます。
老後資金を例に考えてみますが、老後資金とは文字通り老後に使う資金であり、現役世代の人には何十年後の話になります。
投資期間は長期になるため複利の力を十分に利用でき、短期に比べ運用結果となるリターンは安定します。
そこであえて高いリターンを求めすぎると、老後のタイミングで必要な資産に到達できない可能性が生まれます。
加えて相場の暴落時に減少する金額が大きくなるため、老後に安心するための投資が老後の不安を助長する結果になってしまいます。
老後は長いですし、ゆとり資金が無くなる危険性を考えると安全に運用したいと考えるはずです。
老後資金は自分が用意した資産だけではなく、年金という制度があるのでそこからのお金が生活に当てられます。
実は年金もGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)という組織によって管理・運用されています。
GPIFのホームページには基本ポートフォリオの考え方というページがあり、次のような内容が書かれています。
長期的な運用においては、短期的な市場の動向により資産構成割合を変更するよりも、基本となる資産構成割合を決めて長期間維持していくほうが、効率的で良い結果をもたらすことが知られています。このため、公的年金運用では、各資産の期待収益率やリスクなどを考慮したうえで、積立金の基本となる資産構成割合(基本ポートフォリオ)を定めています。
年金積立金管理運用独立行政法人「基本ポートフォリオの考え方」
要するに資産運用は、短期の相場を見て「株が買い時だ、株を買おう!!」ではなく、「老後の資産は〇〇万円必要だから、資産のうち株をこれくらい持って運用しよう」が正解という訳です。
最近投資を始める人の多くが、「みんな株を買って株価も上がってるし、利益が出たらいいな」と目的ではなく利益だけを求めているように思います。
どんなことも目標は大切だということですね!
自分が投資をする目的を明確にして、それに適した資産運用を考えていきましょう。
アセットアロケーションを決める判断材料

ではアセットアロケーションを決める際の判断材料をみていきます。
- 自分のリスク許容度
- 資産運用をする目的
- 資産を使う(使い始める)時期
- 必要資産額
それぞれのポイントを確認していきます。
①自分のリスク許容度
リスク許容度とは、自分がリスクをどれだけ取れるかということです。
人により次のような項目は違ってくると思います。
- 年齢
- ライフプラン
- 家族構成(独身or既婚、子供の人数など)
- 職業(会社員or公務員or自営業、収入水準)
- 保有資産額
- 投資経験
- 本人の性格
様々な要因から自分がリスク(振り幅)にどれだけ耐えることができるかを判断し、リスク許容度を考えます。
リスクについては別記事で詳しく解説しているので、そちらを参考にしてください。

②資産運用をする目標
先ほど紹介した「年金積立金管理運用独立行政法人」は年金を運用していますが、運用目標はこちらです。
「年金財政上必要な利回りを満たしつつ、最もリスクの小さいポートフォリオ」
この運用目標が前提としてあり、具体的には次の割合としています。
国内債券:25%
国外債券:25%
国内株式:25%
国外株式:25%
このように投資の目標がはっきりしていると、資産が大きくなったときにもブレない投資をすることができます。
これだけでも決まっていれば、相場感だけでバランスを崩すような買い増しや売却も無くなるはずです。
③資産を使う(使い始める)時期
教育資金であれば10数年後、老後資金であれば数10年後と、資産運用したお金を使うタイミングは目的によって変わります。
長期なら基本的には安全な運用ができますが、資産額が大きい・運用が短期ならリスクも取らなければ実現できない場合もあります。
リスクを高く取ることは必ずしも悪いことではなく、状況によっては必要です。
これはリスクとリターンの関係で、詳しくは別記事で解説をしているので参考にしてください。

④必要資産額
リスク許容度、リスクとリターン、運用期間などの要素を考慮して、最終的に実現可能な資産額が判断できるようになります。
ただし、具体的な金額は現在の生活費や資産状況を正確に把握していないと計算が難しいです。
必要資産額の計算の前に、自分の生活費の流れをしっかりと把握しておきましょう。
自分の資産は自分で管理する

アセットアロケーションは投資を始める前に決めるべき重要項目です。
しかし、投資初心者や投資歴が短い人ほど、知識や経験が無いので根拠のない決定になってしまうと思います。
それでも意識するとしないでは、今後の投資に大きく影響を与えることは間違いありません。
自分の資産を大切に扱い、未来のために成長させていきましょう!