ここでは資産形成の概略と資産形成を成功させるポイントを説明します。
まずは先に概略を簡潔に説明します。
これが本質で最も重要な基礎の部分です。
基礎といっても、これができないとセミリタイアの成功率は限りなく0%に近くなる内容です。
なぜ成功率が下がってしまうのかを、資産運用のポイントにも触れながら詳しく説明します。
資産形成のポイント
「毎月できる限り多くのお金を運用に回す」ことが本質と書きましたが、資産形成のポイントとしてあげると次の2つです。
①収入ー支出の最大化
②運用利回りの最大化
セミリタイアを始めたばかりの人は、この2つの中でも①の「収入ー支出の最大化」を最優先に行う必要があります。
その理由は運用に回す種銭が関係してきます。
種銭とは配当を得るために必要なお金、つまり貯蓄に回す額が重要ということです。
例えば毎月の貯蓄に1万円しか回せない場合、利回りの高さを求めても次のシミュレーション結果のようになります。

10年という長い期間で比べても、利回りを4%から5%に上げて得られる差額は8万円です。
投資へ回す金額が少ないのに投資の手法のみを追求しても、目標の資産額へ届かずに終わってしまうでしょう。
次に毎月の貯蓄額をアップさせた場合の比較をしてみます。

毎月の貯蓄額を1万円から2万円にアップさせることで、10年後の資産は147万円も違います。
このことからも、まずは種銭になる貯蓄額をアップさせることの重要性がわかります。
①収入ー支出の最大化
この「収入ー支出の最大化」ですが、最大化へ繋がる最善の行動は支出を下げることです。
つまり節約が重要な行動になります。
FIREを実現した三菱サラリーマンの穂高さんは、節約という言葉を「支出の最適化」と表現しており、次のようなことも著書に書かれています。
私の中で「節約」や「倹約」って、何も「雑巾を絞って絞ってカラカラになるまで我慢して支出をカスまで搾る」というイメージではなく、「自分の価値観や夢・目標に照らし合わせて、金銭に関わる経済行動を適切に取捨選択する」ことを指します。
本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法
支出の最適化は、単純に支出を下げるということではありません。
自分が欲しい物(使いたいこと)には、しっかりとお金を使うということです。
そのためにも、自分が本当に欲しいものを理解することが重要なのです。
自分の生き方があって初めて取捨選択ができ、自分の生き方ができるようになるからこそセミリタイアに意味があるのです。
もしセミリタイア後の生き方がイメージできていない人は、もう一度自分の生き方について考えてみてください。

具体的な「支出の最適化」の方法については、支出の最適化編で説明します。
②運用利回りの最大化
運用利回りの最大化とは運用について考えるということです。
貯蓄したお金をそのまま銀行に預けておくのと、貯金したお金を運用するのかで、目標資産額までの道のりが大きく変わります。
毎月5万円の貯金を10年継続し、年4%の利回りで運用した場合の資産総額は約740万円です。
もし運用をせずに預けるだけの場合、元本の600万になってしまいます。
差額は140万円にもなり、これこそ複利の効果が発揮された結果です。

しかし、運用利回りとは自分の力でコントロールできない要素が大きく関わります。
相場や投資先企業の業績、購入する人の力量などの影響を受けるのです。
このことからも運用利回りの最大化に全力を注ぐのではなく、まずは支出の最適化に全力を注いだ方が良い結果が生まれます。
ちなみに投資をする場合の手法としては、高配当・増配株投資法になってきます。
利回り4%を達成させるには、ある程度投資の方法も限られます。
この部分も別の記事で詳しく解説していきます。
資産形成の基礎
資産形成の基礎はこれだけです。
①収入ー支出の最大化
②運用利回りの最大化
セミリタイアには、「収入ー支出の最大化」が基礎であり一番重要な項目です。
そして達成するために重要なポイントは「支出の最適化」になります。
これが成功するかしないかが、セミリタイア実現の運命を大きく変えます。